忍者ブログ
  • 文学フリマ東京の新刊のご案内
    五月十九日に開催される文学フリマ東京の新刊を、お知らせします。



    「テリーの日本案内」は、大正はじめの日本を旅行する外国人のためのガイドブックを翻訳しました。以前出版した「ベデカー・ロンドン案内」の日本版のようなものです。日本への渡航方法、日本食について、ホテルや旅館の泊まり方、骨董品の買い方などが書いてあります。ちょうど「鬼滅の刃」の舞台である、関東大震災以前の大正時代を学ぶのにちょうどいいのではないでしょうか。



    「趣味のモダン・アラカルト」(湯浅篤志)は大正、昭和から戦後へと続く、文人、世間の〈趣味〉への関わり方をとりあげたエッセイ集。大正文学研究者、湯浅篤志『夢見る趣味の大正時代』(論創社、2010)の続編になります。



    「海老足男との対決」(ウィリアムズ)は、アガサ・クリスティ「二人で探偵を」でパロディ化されている、クリスティお気に入りの探偵小説です。しかしこの作品は今まで邦訳されたことがありません。第一次世界大戦を舞台にした、スパイ小説です。最近「二人で探偵を」の新訳も出ましたので、これを機会にお読みになってみてはいかがでしょうか。
    PR
  • 文学フリマ東京38に出店します
    ご無沙汰しております。

    ヒラヤマ探偵文庫は、例年通り文学フリマ東京38に参加いたします。
    今回で東京流通センターでの開催が最後だとか。
    第一会場、第二会場と分かれてから、第二のほうばかりでしたが、今回は久しぶりに第一会場です。

    場所は、図の赤い矢印のところです。入場してずっと右ですね。
    ちなみに青い矢印は、私も寄稿している「『新青年』趣味」を発行している「『新青年』研究会」のブースです。こちらもどうぞご贔屓に宜しくお願いします。

  • 新刊「一攫千金のウォリングフォード」
    二月二十五日はコミケットに初参加してきましたが、爆死でした。
    いやはや、去年のコミケ(夏)よりもダメでした。
    あれはお隣に盛林堂さんがいらっしゃったおかげかな。
    まったくミステリ関係のブースがない中で、無謀と言えば無謀でした。
    もっとも悪いことばかりではなく、申し込み方法はコミケよりもわかりやすく、解説パンフレットも読みやすかったです。コミケは複雑怪奇です。まあ、それだけです。

    で、新刊の「一攫千金のウォリングフォード」ですが、売るほどあります(笑)。
    おかげさまで通販をお願いしている各書店さんも好調なようで、追加注文をいただいたところもありました。

    以下、通販で販売しているのは

    盛林堂

    ジグソーハウス

    CAVA BOOKS

    タカラ〜ムの本棚

    です。店頭販売をしてくださっているのは

    古書荒蝦夷(仙台)

    古書いろどり(神田神保町)

    henn books (名古屋)

    うみねこ堂書林 (神戸)

    です。
    どうぞよろしくお願いします。
  • 田中早苗「入江の一夜」と松野一夫

    『旬刊写真報知』に掲載された田中早苗の作品には、松野一夫の挿絵が多かったです。「入江の一夜」という作品は、『旬刊写真報知』大正141925)年105日号(328号)に掲載され、松野一夫の挿絵が2枚ついていました。

    実にこれは不思議な物語です。――9月のよく晴れた夕方、二人の男(若い青年のエルヴァンと中年紳士ルグラン)がブルターニュのタルベール岬とグルナーブルの間の街道を歩いていました。エルヴァン青年は、今から20年前にこのあたりで行方不明になった兄を捜しに来ていました。エルヴァンは、ルグランと別れ、海へ続く急な下り坂を下りていき、美しい森で縁取られたブルリエの入江に出ました。人家らしいものは二件しか見えなくて、寂しい場所でした。エルヴァンは、休もうと思って浜辺にあった大きな石に腰を下ろしました。彼は、もしかしたら、このような場所で兄は殺されたかもしれないという不気味な想像をしてしまいました。すぐそばにおそろしく大きな巨大な鉄製のブイがおいてありました。すると、ブイの中から突然、コトコトと物をたたく音が聞こえるのです。まさか、中に人がいるわけがないと思いながら、確かめるために彼はそのブイに登り始めました。が、しかし、足を踏み外して石の上に転げ落ち、額を打ってしまい、昏倒していました。やがて気が付きましたが、夜のとばりも下りてしまい、痛む頭を気にしながら街道に戻りました。そのときです! 一軒の家から、人の凄まじく大きな悲鳴が聞こえました。エルヴァンは驚いて、その家に向かい、ドアの前に立ちました。そのときの場面が以下のものです。


    家の中からは、美しい女性が出てきました。彼は、家に中に導かれましたが、二階の部屋に突然押し込まれます。中は暗かったのですが、炉の燃えさしのまきが勢いよく燃えだし、室内が明るくなりました。見ると、炉の前には、一人の男がうずくまっていました。でも、よく確かめると死んでいます。驚きました。呆然としていると、外で二階に上がってくるたくさんの人々の声がします。もしかしたら、あの女は私を犯人にでっち上げようとして、この部屋に閉じ込めたのかと思いました。それをいろいろと考えている場面が次の挿絵です。

     

    エルヴァンのせっぱ詰まった想像が挿絵でうまく描かれていますね。コラージュっぽい雰囲気もたまらないです。ここからエルヴァンの脱出劇がはじまるのですが、短篇なので、あっけなく片付いてしまいます。そして前述した兄の行方不明とブイの話とがつながって、見事なオチをつくっています。

    これもまた、原作があると思います。しかし掲載誌には原作者名がありません。時間があったら、調べてみたいと思います。

  • コミティア147に参加します
    ヒラヤマ探偵文庫は、きたる2月25日(日曜日)に東京ビックサイトで開催されるコミティア147に参加します。
    場所は「す42a」です。

    昨年はコミケにも参加してみましたが、今度はコミティアに参加してみようと思います。

    春(5月)と秋(11月)の文学フリマ東京の間に、何か参加できるものはないかと思っていたのですが、まずは夏コミケを試してみました。しかしコミケは申し込み方法が複雑で大変だし、いろいろと独特のきまりも多く、その割にはあまり売れなかったので、うちとは合わないようでした。

    9月には文学フリマ大阪があり、大阪独特の明るい雰囲気もあり楽しいのですが、やはり旅費がかかります。でもまた行ってみたい気もあります。

    1月には文学フリマ京都がありますが、11月の東京からたった二ヶ月しか経っていませんし、大阪と比べると今ひとつおとなしい感じがしました。それに最近京都は宿泊費が高騰していますしww

    だから2月か3月の即売会があるとちょうどいいので、今回コミティアを試してみようと思ったわけです。

    新刊として、「一攫千金のウォリングフォード」(チェスター)を出します。



    また、大正時代の不思議小説パンフレットシリーズ1、2を販売します。
    これらは通販以外では、即売会の直販、あとは高知県立文学館のみでしか販売しませんので、どうぞよろしくお願いします。