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前回はヒラヤマ探偵文庫の第一作「スーザン・デアの事件簿」を取り上げたので、今回は最新刊「ロンドン夜と昼」を取り上げましょう
この本は、1953年に発行されたロンドンガイドブックで、観光名所を回るためというよりも、ロンドン市民がどんな生活をしているのかというのを体験するためのものです。
ですから普通のロンドン市民が通うレストランやパブ、商店などが詳細に紹介されています。
なおこの本も「ベデカー・ロンドン案内」と同じように、現存している店のホームページやグーグルマップにリンクするQRコードを、添付しました。
ちなみに原書の表紙がこれです。
横長のペーパーバックで、なかなかイラストがオシャレですね。
中にもたくさんイラストが入っているのですが、残念ながら翻訳には収録できなかったので、ちょっとだけここでご紹介しましょう。
これはどこでしょう。
右側の塔は、トラファルガー広場のネルソン記念柱でしょうか。
山高帽子に傘を手に、タクシーを呼んでいる絵に描いたような英国紳士(の絵)。
まだこの時代にはこういう英国紳士がいたのですね。
英国紳士はレストランへ。カイゼル髭もまだまだ現役だった時代のようです。
ちなみにこの本は、海外で買ったのではなく、都内の古本市で購入したのです。案外国内でも手に入るものですね。
本書をお買い求めの際は、ヒラヤマ探偵文庫BOOTH SHOP「ロンドン夜と昼」からどうぞ。PR -
長田幹彦の「九番館」が雑誌連載された頃は、人々の生活は汲々としていました。「九番館」の登場人物の原島貞一郎は、居留地にある、元は教会だった九番館と呼ばれる建物にやってきて、そこに貧民病院と親に見放された子どもたちのための貧児院を作ります。そう、世の中には貧しい孤児がたくさんいたのです。こういう社会状況を舞台にした大衆小説は、同時期に他にもありました。三上於菟吉の描いた「悪魔の恋」という小説です。これは『九番館』と同じ発行元の博文館が出している『講談雑誌』に大正10(1921)年1月から一年以上連載されました。「悪魔の恋」の主人公、江馬勇は立派な家の息子でしたが、あることをきっかけにして、実は自らの出自が孤児だということに気づきました。紆余曲折した後、孤児院を建設していくという話です。たぶん偶然だろうと思いますが、なぜ、この時期にこういう孤児を扱った作品が博文館の発行する雑誌に載ったのかは定かではありません。しかし、「孤児」というテーマを小説にするほど、世の中が困っていたのでしょうね。
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ヒラヤマ探偵文庫の国内作家紹介第一弾は、長田幹彦『九番館』(ヒラヤマ探偵文庫06)です。
長田幹彦は、大正時代の始めから昭和30年代まで活躍した大衆文学作家です。とくに大正から昭和初期にかけては、主な大衆雑誌で彼の名前を見ない日はありませんでした。それほど、人気でした。
人気の秘密は、男女の日常生活に潜む暗い感情をしめやかに描き出していたことにあるのかもしれません。特に、女性読者に大人気でした。
しかし、令和5年の現在では、図書館に行っても、なかなか長田幹彦の名前を本棚で見つけることはできません。時代の波に逆らえず、書庫へでも隠れたのでしょう。
ヒラヤマ探偵文庫では、そうした大衆文学作家の長田幹彦が描き出した探偵小説として、『九番館』という作品を取り上げました。この作品は、博文館の発行する『家庭雑誌』に大正9(1920)年6月号から大正10(1921)年5月号まで連載されたものです。
この時代は、第一次世界大戦が終わって、日本の好景気もしぼんでしまい、不景気になっていました。そうした時代を背景として書かれたのが、この『九番館』なのです。
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ヒラヤマ探偵文庫のウェッブサイト公開を記念して、最初のブログ記事は第一冊め「スーザン・デアの事件簿」の書影を上げます。
これは本書に含まれている作品ではありませんが、未収録作品の雑誌初出の際のイラストなのです。
ほかにもいろいろスーザン・デア作品の単行本未収録作品を集めています。
いずれご紹介できるときがくるでしょう。
お楽しみにしてください。
おまけとして、同じ雑誌に掲載されたイラストをご紹介します。