文学フリマ京都9(2025年1月19日開催)に行ってまいりました。
前日からの前入りで、開催場所の東山にある円山公園に行きました。
今年はラジオ放送開始から、ちょうど100年目の記念の年になります。
そこで、円山公園にあるラジオ塔を見に行きました。ラジオ塔とは、公園などにラジオ受信機を設置する塔のような建物のことをいいます。近所の人々がそこに集って、公共放送のラジオを聞いていました。
下の写真のラジオ塔は、1932(昭和7)年に設置されたのを復元したものとなっています。
JOOKというコールサインがあります。
文学フリマ京都の会場「みやこめっせ」の隣りには、京都府立図書館がありました。
立派な建物ですね。
さて、翌日は文学フリマ京都9に参戦です。
午前11時に開始で、たくさんのお客さんが来てくれました。
新刊は、「冒険クラブの冒険談」(ヒラヤマ探偵文庫37)と森下雨村「赤い塔の家」(ヒラヤマ探偵文庫38)の2冊です。
「冒険家クラブの冒険談」は、次のような内容です。
――本書はThe Adventures of the Adventurers Club, A Shocker in Six Stories (Five men & a woman 1890)の全訳である。いわゆる「シリング・ショッカー」と呼ばれる読み物で、一シリングという単行本よりは安い価格(ちなみにストランド・マガジンも一シリングだった)で売られたペーパーバックだ。著者名も「五人の男と一人の女」という、語り手そのままであって本来の著者名は明記されていない。これは『ある刑事の回想録』 (ウォーターズ、ヒラヤマ探偵文庫)以来の、語り手すなわち著者名とする習慣が引き継がれているのだろう。おそらくこの本は娯楽のために読み捨てられていたのではないかと思われる。同様に読み捨てられていた定期刊行物には青少年を読者として想定した「ペニー・ドレッドフル」があったけれども、当時は十二ペンスで一シリングだったので、価格としては十二倍になるし、本書中には英語の註なしにフランス語が使われたりもしているので、読者はフランス語も分かる、ある程度上の階級に属する人々だったと思われる。親しい人々が集まって話を披露するという形式は、 「デカメロン」以来よくある形だが、日本でも江戸川乱歩「赤い部屋」や野村胡堂「奇譚クラブ」がある。
「赤い塔の家」は、次のような話です。
――森下雨村の冒険科学小説「赤い塔の家」(『少女の友』大正7年7月~12月号)が収録されている。――赤い塔の家にある、開かずの部屋で起こる幽霊騒ぎがきっかけで、物語が動き始める。『少女の友』に連載されていたので、登場人物の中心はローティーンの一郎や純子、光子の姉妹であり、彼らの行動が、読者の〈恐いもの見たさ〉を煽るものとなっていた。
千里眼やテレパシーなどの超常現象も描かれ、作品を支えるものとしてあった。この時期、つまり大正7(1918)年の小説としては、たいへん珍しい題材だといえるだろう。また物語の舞台である赤い塔の家も、栃木県の中禅寺湖の湖畔にあるという設定になっていた。子供たちが夏休みに出かける避暑地の雰囲気を存分に出している。雨村は、夏という季節の連載を意識して、題材を扱っていた。その赤い塔の家には、大きな秘密が隠されていたのである。はたして彼らは、秘密を解くカギを探すことができるのであろうか?
2冊とも面白い内容になっています。
よろしくお願いいたします。
京都文学フリマは、午後4時に終了します。
短い時間の開催にもかかわらず、5,500名以上の方が参加してくれました。
京都開催において、今までで最高の人手だそうです。よかったです。
しかし、ヒラヤマ探偵文庫の売り上げの方はどうかといいますと、、、
今ひとつ、芳しくなかったです。
どうしたことでしょうか。
やはり考えなくてはならないことが、あるようです。
……でも、頑張っていきたいと思います。
応援よろしくお願いいたします。
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